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2012年11月

2012年11月25日 (日)

韓国現代小説との出会いin Niigata その2

我らがキム・ジュンヒョクさんは『マニュアルジェネレーション』を朗読してくださいましたbook東京、大阪では『楽器たちの図書館』を朗読されたから、『マニュアルジェネレーション』は新潟だけだったようですね。で、あんまり練習していないからうまく読めないかもしれないと、발연기をする役者のようだと、はにかむ少年のように大いに前置きをたくさんして読んでくださいました。

발연기という単語、皆さんご存じでしたsign02大根役者といった程の意味で、演技が下手な人のことを言うそうです。

キム・ジュンヒョクさんはぼおっとしている時間が好きで、トイレと朝のベッドとシャワーの時にぼおっとしているとアイデアが浮かぶのだそうです。作家は엉덩이で小説を書くと言うそうです。ずっと原稿用紙に向かう(今はパソコンに向かう)姿を言ったことばですが、キム・ジュンヒョクさんは등で小説を書くのだとか。つまり寝そべってhappy01

いつもユーモアたっぷりです。

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※これは『楽器たちの図書館』の巻末にあるキム・ジュンヒョクさんからのメッセージのページです。カセットテープのケースラベル、A面に4曲、B面に4曲それぞれの作品の名前があるのが見えるでしょうか。イラストの『5』の数字は5刷の意味です。

シン・ギョンスクさんは、故郷の全羅道・전읍のことを話してくださいました。雪深い田舎で、四季の変化が美しく、豊かではない暮らしだったけれど家族との情にあふれた思い出深いところだとのことです。春をまつ心などはまるで私の故郷と同じと、なつかしい気持ちになりました。

70年代に書かれた『離れ部屋』(原題は『외딴방』、この題名の翻訳はちょっとどうなんでしょう。)と、2010年の『母をお願い』を読むと、シン・ギョンスクさんの世界、そして韓国の普通の人の暮らしぶりとその変化がよくわかるそうです。

『외딴방』は、集合アパートで暮らす女工さんたちの生活が描かれているのですが、自殺したオンニの部屋が、建物の構造的に『離れ』になっているわけではなく、心理的な疎外感を表す意味でこういう題名をつけたとのことでした。

『엄마를 부탁해』は、世界29カ国で出版され、アメリカ等でベストセラーになっている作品。第3章が「オンマは知っていたのだろうか。自分にも生涯オンマが必要だったということを。」で終わるのですが、ここを読んだ時胸がいっぱいになって涙がこぼれそうになりました。

で、今年も自分が読んだ本にお二人からサインをいただいて、直接いろいろとお話できたので大満足でした。

東京フォーラムのことについて書かれたブログをいくつか紹介します。

ippoyoさん http://blog.goo.ne.jp/ippoyo/e/ee43946f0dc736badef505d6bfb8ee7e

2012年11月19日 (月)

韓国現代小説との出会い in Niigata

昨日、新潟県立大学の主催で、『韓国現代小説との出会い in Niigata』が開催され、私も参加してきました(9月27日関連記事)。

ちらし http://www.nicol.ac.jp/~hatano/gendai/deau.PDF

昨年のオ・ジョンヒさん、キム・ジュンヒョクさんの座談会に続き、今回は、シン・ギョンスクさんとキム・ジュンヒョクさんのコラボで行われたトークと作品朗読、公開座談会の構成で行われ、あまり事前宣伝していなかったという割には会場の階段教室はほぼ一杯で、韓国文学又はお二人への関心の高さが伺われました。

もともと、韓国文学翻訳院の主催で行われた東京・大阪フォーラムに出演のお二人の作家を新潟にお連れして開催された企画で、新潟県立大学が主催、駐新潟大韓民国総領事館が共催、そして運営には新潟県立大学の先生方と地元の自主学習グループのメンバーがボランティアであたていました。

東京・大阪フォーラムが韓国の作家と日本の作家の対談だったのに比べて、新潟での企画の特徴は、対談相手が地元の読者代表のお二人であり、そして通訳もまた、学習グループのメンバーが務めていたことでしょうか。

音楽にも造詣の深いキム・ジュンヒョクさんのユーモアを交えた軽妙なトークと、全羅道の雪深い故郷のことや韓国の家族の形について語るシン・ギョンスクさんのしみじみとした語り口が対照的ながらもしっくりと呼応していて、読者代表との談話を通して、文学が日韓の相互理解に果たす役割や異国の文学が国境を越えて人の心を打つものであることを改めて感じさせてもらいました。

シン・ギョンスクさんは、日本文学が韓国で読まれているのに比べてまだまだ韓国文学は日本で知られていないとおっしゃっていましたが、それでもこうして地方都市でも身近に韓国作家のトークを聞くことができるようになったなんて、少しずつでも文学の交流は着実に進んでいるんだと、嬉しく思いました。

シン・ギョンスクさんに、「母をお願いは各章ごとに人称が違っていますが、特別な意図があるのでしょうか。また話者は誰でしょうか。」とお聞きしたところ、「意図的にそうしました。내という人称はオンマ以外に使いたくありませんでした。また、話者は誰というのではなくこの世を高いところからみている存在が語っていると思ってください。」とのことでした。

また、キム・ジュンヒョクさんには、ぽにょっ会に参加して皆さんと2年かけて『楽器たちの図書館』を翻訳し終えたとご報告し、喜んでいただきました。

ネットを検索していたら、isさんという方もブログに記事を書いていらっしゃいました。同じ会場にいらしてたんですね
http://cafedeheaven.jugem.jp/?eid=1506#comments

他にどなたか会場にいらしてた方、コメントいただけると嬉しいです。

2012年11月16日 (金)

現代語学塾

夏ごろから、現代語学塾の『日本語を磨く韓→日翻訳』通信講座を受講しています。

韓国語の勉強がある程度進んだころから、将来お気に入りのエッセイや絵本を翻訳して紹介できたらと漠然と思うようになりました。まあ夢のような話なのですけどね。『ぽにょっ会』のみなさんと韓国小説をまるごと訳してみようプロジェクトにも参加して、とても楽しく1冊訳し終えたころ、ひがなおさんのブログで現代語学塾の存在を知りました。

とても丁寧な添削で優しく厳しく指導していただけるとお聞きし、一度きちんと翻訳のトレーニングを受けるチャンスと思い、受講することにしました。現代語学塾は、広告で受講生と講師をどんどん増やすタイプの語学学校とは対極にあるようなマンツーマンの私塾で、まさに師匠に入門弟子入りした気分です。

まず上級の無料お試し添削を受けた後、やはり基本から始めようと中級10回コースを申し込みました。テーマは毎回変わり、例えば第1回目が契約文、第2回目が経済論文、第3回目がある物の解説文といった具合。昨日2回目の課題の添削と3回目の課題を受け取ったところです。A4一ページ足らずの文章の翻訳なのですが、添削と先生のコメントがこの上ない位に懇切丁寧で、時には褒めてくださり、時には翻訳に対する基本的な姿勢を正すような厳しい内容だったりと、それを読んでいると自分の読解の甘さ、翻訳文の推敲の不十分さ、翻訳する態度の甘さなどを痛感します。

締め切りがない、というのが仕事を持っている私にはありがたいシステムと思ったのですが、これは、十分に時間をかけて原文と訳文と先生のコメントを吟味し尽くしなさいという考えに基づくものだと後に気がつきました。

これでこの受講料だなんて安すぎです。先生はほとんどボランティア精神でやってくださっているとしか思えません。

ある意味先生との10回勝負。1回1回大切に翻訳課題に向かわなければと思いを新たにしました。本当は自分との10回勝負かもね。

2012年11月 8日 (木)

ぽにょっ会2

『楽器たちの図書館』をまるごと1冊日本語に訳しちゃいましょう。という『ぽにょっ会』の企画が無事終わったのが9月。そのまるごと1冊翻訳を成し遂げた達成感と翻訳を通じてメンバーのみなさんと意見交換する楽しみが忘れられず、今回もnikkaさんとテラさんの呼びかけで、第2弾『ぽにょっ会2』がスタートすることになりました。

課題は、전민식さんの『개를 산책시키는 남자』という長編小説(293ページ)です。今日、本が手元に届きました。テラさん、お取り寄せどうもありがとう。

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まず装丁が素敵ですね。紙の手触りもいいです。

作者は1965年生まれ。作品は、2012年世界文学賞受賞作だそうです。
さて、どんなお話なのでしょうか。

2012年11月 3日 (土)

iPS細胞は韓国語で何というでしょう

ひとつ前の記事でiPS細胞の話をしましたが、来月の韓国語通訳研究会の教材には、迷わず『iPS細胞研究でノーベル賞受賞』のテレビニュースを選びました。

http://news.kbs.co.kr/tvnews/news9/2012/10/09/2548746.html

iPS細胞を韓国で何と言うかご存じですか。KBSのニュースでは、「유도만능줄기세포」と言っていました。日本語に通訳する時は、直訳すれば『誘導万能幹細胞』ですが、通常日本で使われているのは、『iPS細胞』か、『人工多機能幹細胞』 ですね。こうした日韓の表現の違いも面白いです。

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ところで、山中教授ノーベル賞受賞に関連し、2005年に韓国で話題をさらったソウル大の黄禹錫事件を思い出しました。ヒトのES細胞の培養に成功したとの論文を発表し、韓国初のノーベル賞受賞かと騒がれた黄禹錫教授でしたが、卵子の入手に倫理的な問題があること、後に論文が捏造であることが発覚し、失脚したという事件でした。MBCが番組『PD手帳』で卵子売買などをスクープ。その後の教授側とMBC側の確執など、世論を反映したメディアの一連の報道ぶりの推移が興味深かったのを覚えています。

※上の記事に出てきた生物学に関連する要チェック単語は次のとおりです。
   생체시계:生体時計、배아:胚芽、난자:卵子、
      
수정란:受精卵、떼어내다:取す、
  
집어넣다つまみれる、배양하다:培養する、
  
핵심 유전자:核心遺伝子、망막:網膜、심근:心筋、
  
윤리적 논란:倫理的問題、장기이식 수술:臓器移植手術、
  
인체 거부 반응:人体拒否反応、면역 거부 반응:免疫拒否反応
  
척수손상:脊髄損傷、질병의 원인 규명:疾病原因究明

 

 

iPS細胞

山中教授がiPS細胞の研究でノーベル医学・生理学賞を受賞!とのニュースを聞いたのは、(どうでもいいことですが)私のウンじゅうウン回目の誕生日のことでしたhappy01

さっそく書店で『iPS細胞』と山中教授に関する本を数冊買い込み、この間読んでおりました。山中教授の業績には、高校生のころワトソン・クリックの『二重らせん』のしくみ解明について初めて読んだ時以来の感動を覚えました。高校生まで理数科人間だった私、遺伝子の構造解析に関するワトソンの論文については、最寄りの大学の図書館でネイチャーのバックナンバーを取り寄せてもらって原文で読む位の元気があったのですが、今は、素人向けの解説書、っていうよりは、山中教授の人となりと併せてiPS細胞について易しく紹介している本を読むのが堰の山で、ちょっと寂しいです・・・

それにしても、山中教授ってかっこいいですねheart04

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いったん分化した細胞が分化前に戻る、同時に細胞の年齢も若返る、
というすばらしい発見sign03
それが再生医学に画期的な発展をもたらすであろうという期待のため、全世界から注目されているわけですが、それ以前に、発見自体が、生命を解き明かすひとつの鍵として、わくわくすることだと思いました。

ところで、同じひとつの細胞から分化するのに、なぜ皮膚の細胞は皮膚に、心臓の細胞は心臓になっていくのか。そんなことも考えました。以前、複雑系の研究者(経済学者)の方が、細胞の分化をつかさどっているのは、人体の中にあるどこかの中央司令塔からの司令ではなくて、細胞同士が近隣の細胞の相互の情報交換を行うなかで決定されていくのではないか、とおっしゃっているのを面白く聞いたことがあります。日進月歩の発生の研究分野で、今はどの位のことがわかっているのだろうかと、興味が湧いてきます。

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