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2013年9月15日 (日)

김숨の아무도 돌아오지 않는 밤

201135회 이상문학상 작품집』優秀賞7作のうちの김숨아무도 돌아오지 않는 밤みました김숨1974年蔚山生まれの女性作家で、23歳で登壇して以後、これまでに短編集3冊、長編小説1冊を出版しています。最近では 밤의 경숙2013현대문학상の大賞を受賞していて、独特の作風をもった力のある作家とのことです。

아무도 돌아오지 않는 』のあらすじはだいたいこんな感じです。

 

1. 舅は、いつものようにあひるの骨の煮込みを火にかけたまま夕方の散歩に出かける。老人の日常は特段することもなく、伝記と聖書の写筆をしたり、散歩に出かけてがらくたを拾ってくる位なものだ。ヨンスクは舅と同居し日常の世話をしている。あひるの煮込みに浮かぶ舅の顔やがらくたの間に横たわる舅を想像し、ぞっとするような嫌悪感を感じる。ヨンスクに男の子が生まれると告げた時、舅の反応はつれなかった。これまでヨンスクに気遣いを見せたこともない。ヨンスクにとって舅は心の中がわからない腹黒い老人となっていた。

 

2.ヨンスクは夕食の支度をしながら、仕事に出た夫、散歩に出かけた舅、202号の女の帰りを待っている。舅は202号の女に貸した30万ウォンを今日の夕方返しに来るからヨンスクが受け取って好きに使えと言った。

  2年前に中風で倒れて息子と同居することになった舅をヨンスクが面倒をみることになった。舅のマンションを売った金をヨンスクの夫が投機で根こそぎなくしてしまったのだった。

 

3.舅は2カ月前、シルバータウンに入ろうと自分のマンションを売った金の半分を下してくれと言ってきた。投資の失敗を舅は知らない。夫はその話をするのを避けるかのように毎日夜の帰りが遅い。ヨンスクは妊娠している。舅が使っている部屋を生まれてくる子供のために使いたいと思い、壁紙の色まで想像している。だが舅をシルバータウンに送る金はない。

実家の母に電話して舅の悪口で憂さ晴らしをした後、舅の部屋に入って筆写のノートを見たりしているうちに舅に対する恐怖をはっきり感じる。壁にかかったベレー帽の下に舅が隠れているに違いないという妄想に駆られ確認するが舅はいない。

202号の女に30万ウオンを返してもらいに出向くが、まだ帰っていない。

 

4.ヨンスクは一旦ベッドに入るが、12時近くになってドアの開閉する音を聞いて202号室を訪ねる。出てきた夫に30万円のいきさつを話すが妻が借金するはずはないとの答えが返ってくる。ヨンスクは路地を歩きまわるが、ある家の前の箪笥を目にし、舅がその中に隠れているのではと戸を開ける。中は空っぽだ。

 

5.ヨンスクは舅の部屋に戻り筆者の文字をペンでたどってみる。ふと箪笥の中に舅が隠れているのではと思い戸をあけてぎょっとする。舅がいないばかりか、古道具がすっかり消えていた。強く押し付けたペンからインクが流れ出て文字を飲み込む。

 

6.アヒルの骨のスープの火を一気に強くし、からからに干上がるまで煮詰める。ヨンスクは路地に舅を捜しに行く。

 

  誰も帰ってこないというシチュエーションが不安を掻き立てます。加えて、回想とヨンスクのパラノイア的妄想が入り混じり、舅に対する嫌悪と一種の罪悪感が恐怖感に変わります。

感想などは次回に続く)

 ところで2011年に이상문학상の大賞を受賞したのは공지영맨발로 글목을 돌다で、拉致被害者の蓮池さんがモデルといわれている作品です。これはこれで読んでみると思うところがいろいろあります。

 

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コメント

コン・ジヨンさんのその作品は読んだんですねぇ。

蓮池さんが書いたものと彼女の書いたものとの間にだいぶ違う感じ方があって、読むほうとしては(日本人としては、かな)少しわだかまりが残りましたが。

この女性作家の作品、ふわふわぞわぞわするような気がします(^^;)。

ハーちゃんさんもお読みになったのですね。
コン・ジヨンさんが書いたのはエッセイではなく小説だからと思ってみても、うーん、違うなあって感じ。やはり私もわだかまりが残りました。日本人だからなんでしょうか。

キム・スムさんの小説はなかなか興味をひかれる作品でした。
読んだのは昨年の春。韓国文学翻訳院の新人賞課題となったものです。

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